出生数が減り始めたのは、1970年代半ばからです。1990年代から2015年までは、120万人台から100万人台へ緩やかに減少してきました。しかし、2016年に初めて100万人を下回ってから、わずか8年で70万人を切ってしまいました。国の推計では、2025年の出生数の水準まで減少するのは2040年とされていましたが、15年も早まっています。
日本の人口は、2008年に約1億2808万人でピークとなり減少を始めました。日本の人口が減らないために必要な出生率は、人口置換水準である約2.07とされていますが、1975年から2を下回り続けています。2025年は約1億2305万人で、約30年後には1億人を下回るとされています。
原因としては、結婚しない人が増えているのもその一つと考えられています。2020年の調査では、50歳までに結婚しない人は、男性の3.5人に1人、女性の5.6人に1人でした。コロナ禍の影響も大きく、2023年の1年間に結婚した夫婦の数は、戦後初めて50万組を下回りました。また、結婚する平均年齢も上がっていて、結婚しても子どもを持たない選択をする人も増えています。
働く人が減れば、人手不足が進み、経済成長が鈍くなります。また、医療や介護、年金といった社会保障制度は、主に現役世代が払う社会保険料で支えており、制度を保つのが難しくなります。2020年時点で、15~64歳の現役世代は人口の59.5%、65歳以上の高齢者は28.6%です。およそ2人で1人の高齢者を支えています。推計では、2045年には現役世代が53.6%、高齢者が36.3%になる見通しで、約1.5人で1人を支える計算となります。働く高齢者や女性は増えていますが、このまま少子化が進めば、社会保障への影響は避けられません。

(2026年6月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





