文系人材の過剰

 少子化と産業界の人手不足で学生優位の売り手市場ですが、経済産業省は3月に2040年には大卒・院卒の文系人材が約80万人余るとの推計を出しています。理系は大卒が96万人、院卒が27万人の不足とされ、明暗が分かれています。AIやロボットを使って働く人材は、大卒文系も135万人の不足とされ、大卒理系の108万人の不足よりも多く、文系は必要ですが、いかにAIなどの最先端産業で文系人材が活躍できる能力を習得できるかどうかが鍵となります。

 DXやデータサイエンスなど理系的スキルに引き合いが強く、就活生の内定獲得率も近年は理系が大幅先行しています。文理の格差は待遇にも現れています。30歳時点の平均年収は、文系は545万円で理系より74万円低く、営業や技術職、金融専門職など主な職種でも軒並み文系が低くなっています。こうした状況で文系を選ぶ生徒は減少傾向にあり、先行き不透明な社会情勢で、近年は仕事に直結しやすい理系が増えています。

 政府が2021年に始めたデータ・AI人材育成の取り組みを支援する数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度を受け、大学では文理融合の教育が進んでいます。理系的知見を使うデータサイエンスは、文系学生にも必須の学びとなっています。新卒レベルの能力をAIが代替できる時代です。文系でもAIを使って新しいサービスを構想できる人材を輩出していくことが必要となります。

(2026年4月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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