中央大学の研究グループが、日本人の孤独感について分析し、約40年間に長期的にわたり孤独感が上昇しているとしています。
孤独感は単なる個人の主観的な感情ではなく、心身の健康リスクを高める可能性が指摘されています。WHOの報告書によれば、世界の6人に1人が孤独感に悩み、年約87万人の死亡の原因となっています。WHOは、孤独と社会的な孤立を、解決を急ぐべき深刻な公衆衛生上の課題と位置づけています。
青年期(中学生~大学生)、成人期、老年期(65歳以上)にわけたところ、とりわけ青年期で上昇しています。全体的には男性の方が女性より孤独感が高い傾向が見られますが、年々の変化をみると女性で上昇傾向が確認できました。新型コロナウイルス感染の流行前に比べて、流行中の方が孤独感が高かったことも確認できました。単身世帯数やインターネットの利用時間のほか、経済的な豊さを示すGDPの増加は、孤独感の上昇と関連が見られています。また、平均の世帯人数や婚姻率の減少も、孤独感の上昇と関連が見られました。
地域のつながりや血縁が薄れていく中で孤独が強まっています。研究グループでは、上昇が目立つ女性の孤独感に着目し、孤立しがちな育児中の母親らを対象に、生成AIを活用した孤独感解消支援システムの開発を進めています。

(2026年5月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





