海洋プラスチックごみの流出

 水産庁の資料によれば、海洋プラスチックごみを最も多く流出するのは中国で年間132万~353万トンで、インドネシア、フィリピンと続いています。日本は年間2万~6万トンで世界30位です。海洋プラスチックごみは年間1220万トン発生し、このうちゴーストギアはおよそ1割にあたる115万トンとされています。

 ゴーストギアの多くは自然に分解されず、漁具の機能を残したまま海中で漂い続けます。海洋生物にとって最も危険なごみといわれています。魚やウミガメ、海鳥などの海洋生物がひっかかり死ぬゴーストフィッシングの原因になり、サンゴ礁に覆いかぶさるなどして生態系の破壊にもつながります。漁網や漁船のスクリューに絡むことで漁業にも悪影響を及ぼします。

 海外ではゴーストギア対策を法律で義務付ける国もあります。日本の海岸には海外から漂着するゴーストギアが目立ちます。ゴーストギアを含むプラスチックによる環境汚染を防ぐ国際条約策定に向けた政府間交渉が進んでいます。海洋汚染が深刻な島しょ国やEUが強い規制を求めるのに対し、原油産出国の中東諸国などが反対しています。一国による解決は難しく、国際的な協力の枠組みが必要になります。

(2026年8月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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