消費税減税に憶う―Ⅰ

消費税の歴史

 わが国は、日本は戦後所得税を中心とした税制で、収入の多い人に税負担を頼る仕組みでした。しかし、1970年代以降、日本の社会保障関係費は増加の一途をたどり、2度の石油ショックもあり税収が減る一方で、財政赤字は拡大しました。これ以上所得税を引き上げにくい中で検討されたのが、消費に課税する消費税でした。

 消費税の導入は、竹下登内閣の1989年4月に実現しました。この時の税率は3%でした。1994年に細川護熙内閣が、消費税を国民福祉税に衣替えする構想を打ち出しましたが、批判がありすぐに撤回してしまいました。1997年に橋本龍太郎内閣が税率を5%に引き上げました。税収のうち国分(2.82%)は基礎年金、老人医療、介護の高齢者3経費に使うとして福祉目的化されました。

 少子高齢化は進み、社会保障関係費は膨らみ続けており、野田佳彦内閣の2012年には、当時の民主、自民、公明の3党合意に基づき、税率をまず8%に、その後10%に引き上げる法律が成立しました。2014年4月に税率は8%に引き上げられましたが、安倍晋三内閣は景気悪化への懸念などを理由に2度にわたり増税を延期しました。2019年10月に税率は10%に引き上げられ、この時に食料品などを8%に据え置く軽減税率も同時に導入されました。

(2026年7月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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