研究者の安全保障上のリスクの評価

 AIスタートアップと国立健康危機管理研究機構は、最先端技術を流出しかねない研究者を事前に把握できる手法を開発しています。リスクを数値化する研究者版の信用調査システムで、政府から研究安全保障の確保を求められている大学や公的研究機関に提供しています。

 システムでは研究者ごとにリスクを数値化できます。中国や北朝鮮といった懸念国の軍事関係者から資金提供を受けていたり、つながりのある技術者と共同開発をしたりしているとリスクが高いと判定します。約3億本の論文をAIが読み込み、共同研究者である共著者と研究者の関係を図示する技術を応用し、研究者の氏名を入力すると、技術流出の懸念を数値で示すことができます。

 科学研究では、海外の研究者や留学生が協力し、その成果は論文の形で公開されます。しかし、最先端の研究成果が国の経済力や軍事力により強く結びつくようになり、世界的に自国の技術を守る対策が求められています。G7では、国際連携による自由で開かれた研究を継続するため、研究内容の保護や技術流出の防止が重要だという考え方を共有しています。日本では、2025年末に内閣府が大学や研究機関向けに対策をまとめた手順書を策定しています。実効性のある取り組みをするために、各大学や研究機関では事務作業の負担が増えると指摘されています。

(2026年4月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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