15~64歳の生産年齢人口は、1995年をピークに減少する一方で、65歳以上の高齢者は増えています。高齢者1人を何人の生産年齢人口で支えるかをみると、1995年は4.8人、2010年は2.8人、2020年は2.1人です。支え手が大幅に減っています。しかし、年齢ではなく働いている人と働いていない人の比率で見ると違った姿が見えてきます。非就業者1人を支える就業者数は、1995年が1.1人、2010年が1.0人、2020年が1.1人で、この25年間ほとんど変化していません。
1995年から2020年の間に生産年齢人口は1208万人減りましたが、就業者数は133万人増えました。生産年齢人口は15~64歳の年齢区分の人口にすぎず、この中には働いていない人も含まれています。社会保障の持続可能性を考える上で重要なのは、税や社会保険料の主な担い手である就業者と、社会保障給付の受給者を多く含む非就業者の関係です。非就業者1人を支える就業者数が重要で、この比率は長期的に安定しています。
高齢者と女性で働く人が増えています。2008年から2025年にかけて、高齢者の就業率は大きく上昇しました。65~69歳までは18.3ポイント増えて54.5ポイントとなり、半数以上が働いています。70~74歳は14.4ポイント増えて36.2%、75~79歳は9.3ポイント増えて22.1%となっています。65歳以上を一律に支えられる側と捉えるのは妥当ではありません。65~74歳では、心身の健康が保たれ、活発な社会活動が可能な人が大多数を占めていると指摘しています。
女性の労働参加も大きく進みました。被用者の夫に扶養される妻は、1995年度の1216万人をピークに減少し、2026年3月末には590万人と半数以下になりました。また、出産・子育て期にあたる30代女性の就業率も上昇し、かつて見られたM字カーブはほぼ解消されています。
人口が減少しても、就業率向上を目指して経済・雇用政策に力を入れれば、就業者数を維持できる可能性があります。高齢者の雇用については、2013年度に希望者全員を対象とした65歳までの雇用確保措置が義務化され、2021年度には70歳までの就業確保措置が努力義務となりました。企業には、年齢ではなく意欲や能力、経験を生かして活躍できる場を提供し、働きぶりに応じて処遇するなど雇用の質を高めることが求められます。
(2026年10月18日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)








