再生医療技術の進歩
これまで再生医療技術は科学的に有望とみられても開発が難航し、製品として販売に至らない場合が多くなっています。投資する側は資金の回収に時間がかかり、新興企業は資金調達も困難でした。
5月にバイオスタートアップのサンバイオが開発し、外傷性の脳損傷を治療する製品のアクーゴの薬価が、患者1人あたり7271万円に決まりました。住友ファーマが開発したiPS細胞を使うパーキンソン病向けアムシェプリも5530万円となりました。ともに2026年中に患者への投与が始まる予定です。
脳神経の再生はビジネスとしても成長が見込まれます。グローバルインフォメーションの推定によれば、2025年の世界市場は112億ドルでしたが、2030年には205億ドルとほぼ2倍に拡大する見込みです。脳神経の治療法が確立されることは患者や家族にとって朗報ですが、必要なコストは高く、日本の医療費負担を一段と重くする要因にもなります。
これまでは再生医療と言えばiPS細胞を利用する研究が多かったのですが、今後は、北海道大学発のRAINBOWのような自分の組織の幹細胞を移植する研究が増えることを期待しています。
(2026年7月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







