預金の首都圏集中

 日銀統計によれば、2025年度末の国内銀行の預金残高は前年同期比3.2%増の1031兆2426億円と、初めて1000兆円を超えました。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県の合計4.4%増の523兆1339億円と、全国の中でも伸び率が大きくなっています。1都3県の占める比率は、2006年度の42.2%から2025年度は50.7%に高まっています。

 日銀の統計に含まれないゆうちょ銀行の貯金残高は186兆1130億円と、1年前から4兆円減少しています。国営の郵便貯金はピークの1999年には約260兆円ありました。2024年に三菱UFJ銀行に抜かれ、その後も減少が続いています。直近3年間では5%減っています。ゆうちょ銀行は全国に約2万3000超の店舗を持ち、離島などに支店があるケースも多くなっています。

 預金の首都圏流入の背景には相続があります。地方在住の親が亡くなり、都市部に住む子どもが金融資産を相続するケースが目立っています。2025年度の国勢調査速報値によれば、日本の総人口は5年前から309万6575人減り、1億2304万9524人でした減少幅は過去最大で、東京都と沖縄県を除く45道府県で減っています。今後も地方からの人口が流出すれば、預金の都市部集中は続く可能性が高いと思われます。

(2026年6月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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