麻疹の感染が今年拡大しています。日本は排除状態にありますが、近年は海外の流行地から原因ウイルスが持ち込まれ、一部で集団感染が起きています。ウイルスが1年以上定着すると、排除の認定は取り消しになります。患者が世界で増えており、途上国ではワクチン接種が進んでおらず、インドネシアやインドで多数の患者が報告されています。
麻疹ウイルスは、非常に感染力が強く、咳やくしゃみなどの飛沫からだけでなく、ウイルスが浮遊した空気を吸い込むことで感染します。通常のマスクでは防げません。感染から10~12日間の潜伏期間を経て、高熱や発疹などの症状が出ます。特効薬は無く、先進国でも1,000人に1人の割合で、肺炎や脳炎で亡くなる恐れがあります。乳幼児や妊婦、糖尿病など生活習慣病がある人、免疫を抑える薬を使っている人は特に注意が必要です。

ワクチン接種が最も有効です。国の定期接種は1978年に始まり、2006年に2回接種となりました。10代~20代で2回打っていない人は接種すべきです。30代後半から40代は1回接種が多く、追加接種を検討すべきです。一方、50歳以上は接種を受けていない可能性が高いのですが、乳幼児期に発症したり、その後にウイルスにさらされたりして若い世代と比べ、免疫は平均的に高いとされています。麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)は全額自己負担の任意接種だと、費用は1万~1万5,000円程度となります。

(2026年4月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





