現行の就職活動のルールは、2017年春卒業の大学生・大学院生から適用されています。卒業する前年度の3月に広報活動解禁、卒業年度の6月に面接などの選考開始、10月に内定としています。政府が企業に要請する紳士協定で、罰則規定など法的な拘束力はありません。学生が学業や課外活動に専念し、安心して就職活動に取り組める環境をつくる目的で作られました。
3省合意で、2025年卒からはインターンシップの定義が変わりました。インターンを含むキャリア形成支援に関する取り組みを4つに類型化しています。一般的なインターンは5日以上、専門的な内容を含む場合は2週間以上などの期間や内容の条件を満たした場合のみ、学生の情報を日程ルールにのっとって広報や選考に利用できるようにしています。

就活ルールの変更から10年を迎えた今年、5月1日時点の内定率は8割と、2017年卒の2.6倍に上っています。3年時など開始時期が早まる実態を是正するためでしたが、目的とは逆行しています。また、学生の就職活動は長期化しております。内閣府の調査によれば、学生に就活にかかった期間を聞くと、2016年卒は9カ月以上が47%で最多でした。2017年卒で最多だったのは、3カ月以内で45%、9カ月以上だったのは7%にとどまっていました。
18歳以上の労働人口の減少で加速する採用難を背景に、企業がインターンなどを通じ、学生と早期に接触を図っているのが主因です。面接の開始時期も早めています。早期化は学生優位の売り手市場で各社が競合に先んじて選考し、優秀な学生を囲い込もうと加速しています。
(2026年6月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







