不眠の経済損失

 医療機関が、6月1日から睡眠障害を診療科名に使えるようになっています。単独で表記できる内科や精神科などの診療科名と組み合わせ、睡眠障害内科のように表示できます。睡眠障害とは睡眠の量や質に問題が生じることで、日中に倦怠感や意欲低下、集中力低下などの不調を来します。不眠症や過眠症、睡眠時無呼吸症候群などがあります。

 OECDによれば、日本人の平均睡眠時間は約7時間20分と加盟国で最も短く、長時間労働などで十分な睡眠時間を取れない人が多くなっています。睡眠障害は経済損失につながります。米シンクタンクのランド研究所は、日本にいる労働者が適正な睡眠時間(7~9時間)を取るようになった場合、2025年にGDPの3.2%の損失を防げると試算しています。経済損失は19兆円規模になります。

 富士経済によれば、睡眠障害治療剤の国内市場規模は2035年に1607億円と、2025年見込み額より6割強拡大するとされています。製薬企業は薬の需要開拓や新薬開発を進めています。

(2026年6月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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