先進国における合計特殊出生率の低下

 合計特殊出生率は、1人の女性が一生で産む子どもの数の平均値で、出産期として想定する15~49歳までの女性の年齢ごとの出生率を合計して割り出します。全国の出生や死亡などをまとめた人口動態統計の項目の一つとして1947年に算出を始めています。人口の維持には2.07ほどが必要とされ、人口置換水準と言います。

 1947~1949年の第1次ベビーブームでは4を超えていました。当時生まれた団塊の世代が20代後半になった1975年に2を割り、1995年には1.5を下回りました。近年は新型コロナウイルス禍の結婚控えなどで出生数の減少が加速し、2025年の出生率は1.14と10年連続で下がっています。

 海外の主要国も少子化に直面しています。出産や育児にかかわる支援が手厚いフランスは、2010年代半ばまでおおむね2を維持していました。2025年に第1次世界大戦後で最も低い1.56まで下がっています。韓国は、2025年に0.80と2年連続でやや上昇したものの、危機的な水準から抜け出せていません。先進的な福祉国家であるフィンランドでも、2023年に1.26まで低下しています。

(2026年6月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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