高齢者の若返り

 高齢者と現役世代の医療費の差が縮んでいます。80~84歳の1人あたりの医療費は15年前の2008年に現役世代の5.2倍でしたが、2023年は4.3倍になっています。健康寿命が延びていることを映す変化です。

 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる年齢を指す健康寿命が延びています。2022年は男性が72.57歳、女性が75.45歳と2007年からそれぞれ2歳程度伸びています。医療機関を受診する頻度を示す受診率も低下傾向にあります。75~79歳の1人あたりの診療報酬明細書の件数は、外来で2008年の16.8件から2022年に14.9件に、入院は0.61件から0.47件に減っています。

 高齢者の若返りは就業率にも表れています。65~69歳は2024年に53.6%に達し、2008年の36.2%からおよそ17ポイント上昇しています。2008年の65~69歳の水準は、2024年の70~74歳の35.1%に相当します。日本社会における高齢者の位置づけは大きく変化しています。全ての世代が公平に支え合う高齢者医療制度の構築に必要な改革を早急に着手すべきです。

(2026年6月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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