名古屋大学などは、整形外科や形成外科の手術で欠かせない血管を縫合する訓練にAIを組み込む手法を開発しています。筋肉が発する電気信号や視線をAIが分析し、各医師の習熟度を測ります。2027年にも実用化に向け臨床研究に乗り出しています。
習熟度が高い医師ほど、1つの動作を繰り返した時の筋収縮のパターンに高い再現性があり、視線についても調べ、縫合する際の動きも新たな評価指標にできることを確認しています。今後、動画から筋電や視線の動きも予測できるようにします。手元を撮影するだけで、技量を評価できるようにするなど改良します。2027年にも20~30人の研修医などを対象に臨床研究を実施する予定です。
外科医の技量をAIによって高めようとする動きは、腹腔鏡やロボット手術の分野で先行しています。内視鏡手術の映像から切除が可能な箇所とそうでない箇所などをそれぞれ色づけして見逃しを防ぎます。若手医師や医学生の教育現場での活用、熟練医師の技術向上に使われています。AIは外科医を凌駕することはありませんが、AIを使いこなす外科医がAIを使わない外科医を超える時代が来るかもしれません。
(2026年6月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







