認知症やその疑いのある人が行方不明になる例が増えています。警察に届けられた2024年の不明者数は約1万8,000人と、10年間で約1.5倍になっています。うち死者も約500人に上っています。単身世帯の増加や近隣関係の希薄化なども要因となっています。

厚生労働省は、2014年に認知症高齢者の行方不明者の増加対策として、地域で見守りネットワークを立ち上げるよう都道府県などに要請しています。2024年に認知症基本法が施行され、自治体が認知症の人も暮らしやすい環境を整えるよう求められています。

認知症の有無にかかわらず、一人ひとりが個性と能力を発揮しながら共生することを推進するとしています。年を取れば機能の衰えに直面し、見守られる、支えられる存在になります。しかし視点を変えれば、街の暮らしにくさにいち早く気づくリードユーザーでもあります。SOS対応の訓練と日常のつながりが共生推進の両輪です。

(2026年6月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





