日本人の船員数の減少

 日本人の船員は減少が目立ってきています。国土交通省によれば、2024年は内航・外航合計で約3万800人と、50年前の約4分の1の水準になっています。航海期間が長い外航船に限ると2,095人と96%減で、フィリピン人など外国籍の船員で補ってきています。近年は船長や機関長など現場のリーダーとしての日本人の採用ニーズが高まってきています。

 わが国には商船高専は5校しかありません。多くの高専卒業生が、世界中の海の現場で、日本人の生活を守る物資を安全最優先で運んでいます。船員教育を進める商船高専ですが、船員の人手不足の緩和は道半ばです。2025年の月間有効求人倍率は4.97倍と高く、0.11倍だった2003年などとは全く状況が変わってきています。

 海事産業は女性船員の活躍に望みをつないでいます。男性専門の職業という価値観を変え、女性専用の設備の設置や育児休業制度の導入などを進めています。現在の女性船員の国内比率は約2%ですが、商船高専では女性比率がじわりと高まってきています。愛媛県の弓削商船高専では、2026年4月1日時点の商船学科239人のうち、女性比率が約17%です。危険な職業といった偏見が薄れ、憧れを持って入ってくる学生も増えています。

(2026年6月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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