人口減少は厳しさを増しています。都道府県で2020年の国勢調査より人口が増加したのは東京と沖縄の2都県のみで過去最少でした。市区町村では179と、全体の10%にとどまっています。1985年は増加自治体数が1,000と過半を占めていましたが、40年間で5分の1以下になっています。
増加に転じた26市町村の増加率ランキングでトップの7.8%増となった南幌町は、2016年、子育て世代の住宅新築に最大200万円を補助する制度を始めています。6.6%増となった阿蘇山麓の熊本県西原村は、近隣に工場が立地し周辺で住宅需要が高まった機を逃さず、子育て世代の新築住宅購入に最大100万円を支給するなど支援の手厚さをアピールしています。
横浜市や広島市など、地域の中核を成す政令指定都市でさえ、戦後初の減少となっています。2025年に国内で生まれた日本人の子どもは67万1,236人で、10円連続で過去最少を更新し、ひとりの女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率も1.14と、過去最低となっています。国レベルで出生数の下げ止まりを図る必要があります。個々の自治体としては早急に人口減少に適応した仕組みづくりを進めることが必要となります。インフラや行政サービスの見直しなど社会・経済の構造転換は急務です。

(2026年6月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





