在宅でのみとりの実現

 国内で2024年に亡くなった人は、160万5378人で過去最多を更新しました。多死社会の到来でみとりの場も変化しています。最期を自宅や老人ホームなど病院以外の場所で迎える人が増えてきています。積極的な治療を必要とせず、老衰で亡くなる高齢者が多くなっています。自宅や施設でみとる割合は都市部ほど高い傾向があり、都道府県間の差は最大5倍超に及んでいます。

 自宅で最期を迎える人の数は減少傾向でしたが、2005年で底を打ち増加基調に転じています。自宅の比率は2005年に12%でしたが、2024年に16%に上昇しています。老人ホームは2%から12%に増加し、病院はピークの80%から16ポイント下がっています。入院して点滴などの処置を受けながら亡くなるようなケースが減っています。死因も変わってきており、他に記すべき理由がない老衰が急増しています。2018年に脳血管疾患を抜いて3位になり、数年以内には心疾患も上回る勢いです。

 在宅でのみとり率には、地域格差が認められます。2024年度に最も高かったのは神奈川の26.8%で、最低の高知の4.9%と20ポイント以上の開きがあります。神奈川県では在宅医療に取り組む医療機関は増えていませんが、個別の診療所や病院の対応力が上がっています。在宅みとり率が低い地域は、在宅医療を扱う医療機関が少なく、入院・入所が可能な施設が多いとみられます。高知県は人口10万人あたりの病院ベッド数が2328.1床と全国で最も多く、何かあれば入院するという考えが浸透し、本人や家族が入院を希望するケースが多くなっています。

(2026年6月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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