現在高校3年生の世代となる2008年度の出生数は約110万人です。第2次ベビーブームのピークだった1973年度は200万人を超えていました。共働きが一般的となり子育て世帯の可処分所得は増えました。文部科学省の調査によれば、中高生の塾など学校以外の子ども1人当たりの年間教育費は、2023年度までの約30年間で数百万円増えています。
膨らむ教育費は高い付加価値を持つ教育サービスに回ります。ヒューリックによる東京大学の受験に特化した進学塾である鉄緑会の運営会社の買収額への関心が高まっています。金額は非公表ですが、数百億円に上るとみられ、上場する教育企業の時価総額と比べても高さが目立っています。ヒューリックは、鉄緑会の買収を足がかりに、今後も子ども関連企業のM&Aを進め、教育分野のメガプラットフォームをつくる構想を温めています。
教育業界には、逆風と捉えられがちな少子化が新たな付加価値を生むことになっています。

(2026年7月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





