肥満症薬の開発競争が激化しています。肥満症の治療は、薬物療法のほか、運動・食事療法、胃を切除して小さくする外科手術があります。減量効果は20~30%程度とされています。米イーライ・リリーは、外科手術と同等の減量効果を見込む肥満症薬を開発中です。従来の肥満症薬は1~2種類のホルモンの働きを真似ていますが、開発中のレタトルチドは食欲や脂肪燃焼に関わる3つのホルモンの機能を真似ています。
米IQVIAは、2030年に世界の肥満症薬市場は最大2000億ドルに達するを予測しています。後続企業はニーズを絞った薬を開発するなど、競争軸は多様化しています。2026年1月時点で、世界で約200の肥満症薬候補が開発されています。半数以上が皮下注製剤で約40%が飲み薬です。
日本では、本来は糖尿病薬であるイーライ・リリーのマンジャロを自由診療で投与する事例が問題になっています。ダイエットなど目的外の使用による健康被害が指摘されており、適切な使い方が必要になります。8月からは、国の医療費抑制策の一環でマンジャロの薬価が25%下がります。患者の負担軽減になりますが、さらなる不適切使用を招く可能性もあります。
(2026年7月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







