妊娠高血圧ヘルスケアプロバイダー制度の認定

 妊娠高血圧ヘルスケアプロバイダー(Health Care Provider:HCP)とは、妊娠高血圧症候群に関する知識に習熟し、妊娠前、妊娠中および出産後にチーム医療による専門的なケアを実践することで、女性の健康維持に貢献する医療者のことです。本制度は、日本妊娠高血圧学会が2023年に設立した資格制度で、2026年1月1日までに合計594名が認定されています。

 妊娠に関わる全ての診療科の医師や研修医、看護師など、何らかの医療資格を有し、妊娠高血圧症候群の診療に携わる全ての医療者を対象としています。医師186名(31.3%)、助産師295名(49.7%)、薬剤師79名(13.3%)で全体の94%を占めており、このほかにも、看護師、保健師、管理栄養士、心理士、臨床検査技師などの医療者が認定されています。また、医師の診療科別の内訳は、産婦人科が158名(84.9%)で最も多く、内科が12名、麻酔科が11名、放射線科、総合診療科、初期研修医なども認定されています。

 妊娠高血圧HCPの最も重要な役割は、妊娠高血圧症候群に関する正確で共通した知識を基盤として、多職種・多診療科が連携しながら、妊娠期から産後、さらには次の妊娠や将来の健康までを見据えた継続的なケアを提供することにあります。妊娠高血圧症候群は、産科のみならず内科系診療科や周辺領域を含めた多職種連携を前提とする疾患であり、妊娠高血圧HCPは、特定の職種が指導を担うのではなく、共通の知識を持った医療者チームとして関与することで、女性の生涯にわたる健康を支える役割を担っています。

 妊娠高血圧HCPとして認定を受けるためには、日本妊娠高血圧学会学術集会で開催される妊娠高血圧HCP認定講習会を受講することが必須です。講習会は10講習から構成されており、全ての講習を受講して受講証を取得する必要があります。妊娠高血圧HCPの認定期間は、認定の日から5年間です。資格を継続するためには、更新手続きが必要となります。

(日産婦医会報 2026年7月1日)
(吉村 やすのり)

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