デジタル化や人口減少に伴い、国内の郵便物の引受数は、ピークだった2001年度の263億通から2025年度には半数以下の118億通に減少しています。2028年度には105億通まで落ち込む見通しです。日本郵便の郵便事業は、人件費などのコストがかさんで2022年度から赤字が続いています。2024年10月に定形郵便物などの料金を値上げした効果で、2025年度は黒字を見込んでいましたが、郵便需要の減少が想定を上回り322億円の赤字となっています。2026年度以降も赤字が拡大すると見込まれています。

郵便局は全国に2万4,000か所あり、人口減少が進む地域を中心に、住民票の写しの交付など自治体業務を受託しています。この現実を踏まえ、改正郵政民営化法では、公的サービスの提供を日本郵便の本来業務とすることを法的に明確化し、郵便局網を維持するための交付金制度も創設しました。持ち株会社の日本郵政が国に支払う株式の配当金などを原資に、年650億円規模の実質的な公金が投入されています。
総務省は、収支が悪化する郵便事業を安定的に運営する方策を有識者会議で検討しています。デジタル化などで郵便物の引受数が減少する中での郵便事業の維持に向け、法律で定められた配達頻度といったサービスの水準の見直しなどが議論されます。

(2026年8月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





