50代の転職者の増加

 西オーストラリア大学らの研究者の発表によれば、記憶力や処理速度は加齢とともに低下していく一方、語彙力や金融リテラシー、情緒安定性などは60代以降まで向上することが分かりました。心理機能を含めると総合的な能力は、55~60歳ごろにピークを迎えるとされています。主要国の政治指導者には、50代半ばから60代前半の候補者が選ばれる傾向があります。

 60歳前後の時期は経験が深まり、パフォーマンスを発揮しやすいとされ、加齢とともに能力が落ちると思い込むと、その自己暗示に引っ張られてしまいます。年齢や役職にこだわらず、色々な人から学び続けることが大切です。50代の転職も活発です。人材サービス大手のエンによれば、2025年に転職した50代は2018年から約6倍になっています。

 50代以降の起業も増えています。帝国データバンクによれば、新設法人数は近年増加傾向で、2025年は50代の代表者の割合が26.6%と7年連続で上昇しています。60歳以上の代表者の割合は20.5%となり、初めて20%台に達しています。特に最近はAI活用など企業が正解の無い課題に向き合う場面が増えています。企業が求めているのは単なる知識や肩書ではなく、これまでの経験を生かして実際に事業や組織を前に進められる人材です。

(2026年9月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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