小学生の肥満は、2000年代以降は減少傾向にありましたが、コロナ禍で再び増加しました。国がまとめた年次推移では、2022年にピークに達し、その後減少に転じましたが、コロナ前の水準には戻っていません。運動習慣を身に付ける幼児期や小学校低学年にコロナ禍が重なった子は、その後も不活発な生活習慣が変わらず、肥満になりやすい傾向が続いています。

成人ではBMI(体格指数)を用いて判定しますが、子どもは肥満度で判定します。肥満度(%)は、(体重−標準体重)÷標準体重に100をかけて計算します。+20%以上だと肥満傾向があることになります。
治療の対象になるのは、小児肥満症とメタボリックシンドロームです。小児肥満症は、肥満度が+20%以上で、高血圧、睡眠時無呼吸、2型糖尿病、早期動脈硬化、内臓脂肪型肥満の場合に診断されます。脂肪肝や脂質異常などの健康障害を伴う場合、肥満の程度も勘案して診断の対象になります。
メタボリックシンドロームは、お腹回りが80㎝(小学生は75㎝)以上ある腹部肥満に加えて、脂質異常、血圧高値、高血糖といった動脈硬化の危険因子のうち、二つ以上に当てはまる場合と定義されています。
小児の肥満のほとんどが原発性肥満です。肥満になりやすい体質に不適切な生活習慣が加わり、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回るために生じるものです。別の病気の影響で肥満になる二次性肥満もあります。身長の伸びが悪いという特徴があるので、成長曲線を描くと気づくことができます。
(2026年9月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





