10月10日は、世界メンタルヘルスデーです。2000年以降の大規模な疫学調査によれば、精神疾患の症状が始まるのは、10~20代前半に多いことが分かっています。症状が始まるピークは14.5歳で、62.5%が25歳までに症状が明らかになっています。思春期・青年期の脳は、発展途上で心身の変化や環境の影響をうけやすいことと、社会に参加することで対人関係の認知や負荷が増えることが影響している可能性があります。
思春期の女子は男子より心の不調になりやすいことも分かってきています。国立精神・神経医療研究センターによれば、12歳時点で男女差は大きくないのですが、16歳で抑うつ状態にある割合は女子が15.9%に対し、男子は8.2%です。死にたいという気持ち(希死念慮)を持つ割合は、女子が29.8%、男子が18.1%で、いずれも女子が高くなっています。
孤独感と痩せ願望を女子が抱きやすいことが関係していると考えられています。この二つが、抑うつ状態と希死念慮の男女差を生む要因です。それぞれ34.7%、46.3%を占めていました。女子は14歳で13.2%が孤独感を、41.4%が痩せ願望を抱いていました。男子は6.0%、11.1%にとどまっています。とりわけ女子の孤独感を減らすための取り組みや外見に対する有害なプレッシャーを減らすための対策を、若者とともに進めていくことが大切です。
(2026年10月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)







