グリーン鉄への転換

 日本の製鉄業は、温暖化ガスの排出量が少ないグリーン鉄の普及に向け、設備投資や技術開発を急ピッチで進めています。温室効果ガスインベントリによれば、2024年度に日本で排出されたCO2は9億2000万トンで、うち12%を製鉄業が占めています。製造業・建設に絞れば半分が製鉄由来です。

 日本で生産される鉄の7~8割は、CO2を大量に排出する高炉でつくられます。高炉の中に原料となる鉄鉱石と石炭を入れて熱することで、鉄鉱石を還元して鉄を取り出します。グリーン鉄を生産する方法は大きく分けて2種類あります。一つは電気で鉄スクラップを溶かして、再生する方法で、CO2排出量を高炉の4分の1に抑制できます。

 もう一つは、石炭の代わりに加熱した水素で鉄鉱石を還元する水素還元製鉄です。生産過程でCO2ではなく水が排出されます。もっとも環境に優しい製鉄法ですが、既存の高炉で使う石炭の一部を水素に置き換える高炉水素還元の技術開発に取り組んでいます。各国も巨額投資をしてグリーン鉄の普及を目指しています。

(2026年9月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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