がんの個別化医療

 日本人の2人に1人が一生のうちにがんを患うとされ、同じ薬でも効き目が違う患者が知られています。京都大学や北海道大学など全国6大学の附属病院は、がん患者1人ひとりの遺伝情報をもとに最適な治療法を探る個別化医療を2019年度にも始めます。がんに関わる200種類以上の遺伝子の変化と投薬歴や治療効果をまとめたデータベースをつくり、精度の高い診断や効果的な治療につなげます。
 がんの治療は肺や胃といったがんができた臓器ごとに特定の薬を使用しますが、がんの遺伝子が変化すると効かなくなります。遺伝子の変化によっては、別のがんに使う薬が効くようになる場合があります。計画では患者の希望に応じて遺伝子を解析し、2018年度までに開発するデータベースを参考に治療方針を決めます。その後、1人ひとりに最適な治療法を提案し、主治医や患者の確認を経て治療することになります。標準の治療法や薬が効かない患者や、治療法がない稀ながんの患者が対象になります。

(2017年2月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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