わが国の労働生産性

日本生産性本部がまとめた2022年の労働生産性の国際ランキングによれば、日本はOECDに加盟する38か国中30位で、比較可能な1970年以降で最低でした。日本は、長年20位前後が定位置でしたが、4年連続で順位を落としています。G7でも最下位となっています。
労働生産性は、働く人が一定の時間内でどれだけのモノやサービスを生み出すかを示す指標です。日本は1時間あたり52.3ドルで前年から0.8%増えましたが、順位を二つ下げています。1位のアイルランドの154.1ドルや2位のノルウェーの149.9ドルの約3分の1で、G7でも9位の米国の89.8ドル、11位のドイツの87.2ドルなどに大きく水をあけられています。OECDの平均である65.2ドルも下回っています。
1位のアイルランドの労働生産性は、1980年代は日本とほぼ同じでしたが、法人税率を下げてグーグルなどのIT企業を誘致し、経済を急成長させました。人への投資に加え、デジタル分野を含む無形資産への投資を促進し、付加価値の向上につなげる必要があります。

(2023年12月25日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。