エイズウイルス(HIV)の母子感染

HIVに感染した妊婦から赤ちゃんに感染する母子感染が減少していることが厚生科学研究で明らかになった。最近では、妊娠中から抗HIV薬を服用したり、帝王切開することにより、母子感染の予防対策がとられており、数年に1~2人までに減少している。このように母子感染は99%避けられるようになっている。

一方、男性がHIVに感染している時は、精液中にHIVが検出されることがある。性交渉の場合にはコンドームを使用すれば感染を予防することができるが、妊娠しようとする場合、精液中に含まれるHIVによって子どもが感染する可能性があることが問題であった。しかしながら、慶應義塾大学病院で我々が考案した方法で体外受精を実証すれば、子どもへの感染を防ぐことができる。これまでこれらの方法により100名前後の子どもが誕生しているが、感染例は皆無である。

子どもへの感染はぜひとも避けたいものである。

 
(2014年5月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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