オンライン診療の伸び悩み

オンライン診療は、新型コロナウイルス禍を経て取り組む医療機関は増えたものの、診療実績は全体の0.036%にとどまっています。対面診療よりも医師側の報酬が低く、普及の阻害要因になっています。2023年10月時点で、オンライン診療に取り組むと届け出た医療機関は1万超あります。2022年7月の1.8倍に増えたものの頭打ちの状況にあります。医療機関の8割は、オンライン診療の実績はありません。
オンライン診療は、2018年度の診療報酬改定で保険適用が始まりました。新型コロナウイルスの流行を契機に広がり、2022年度からは初診時のオンライン診療が恒久化されました。厚生労働省は診療報酬上の扱いも明確にし、オンライン診療の初診時に2,510円を算定できるようにしました。厚生労働省は、オンライン診療に関して、かかりつけの医師が担うことが基本だとの方針を示しています。対面診療を適切に組み合わせることも求めています。医療界には対面診療を重視する考え方がなお根強く、通信機器の整備も導入のハードルとなっています。

 

(2023年12月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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