カプセル内視鏡の普及

大腸がんはわが国のがん死亡率の上位を占める病気であり、近年増加傾向にある。大腸の検査で口から飲み込むカプセル内視鏡が医療保険の対象となった。内視鏡は長さ約3cm、直径約1cmであり、カプセルを飲む前後に下剤を服用し、平均4時間位で体外に出てその間に写真を撮る。費用は約10万円で、医療保険が使えるために1~3割負担で済むようになった。しかし保険が認められるのは、大腸に病気があることが疑われ、内視鏡ファイバースコープが奥まで通らない人に限られている。

体の負担が少なく安心感がある点は長所であるが、従来の内視鏡より精度がやや落ちる可能性があること、ポリープなどの異常があった場合、通常の内視鏡検査ではそのまま切除できるが、カプセル内視鏡では改めて肛門から内視鏡を入れる必要があるなどの欠点もある。

(2014年5月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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