介護保険料の上昇と地域格差

介護保険サービスにかかる費用のうち、利用者本人が払うのは、所得に応じて1~3割です。残りは、40歳以上の人が支払う保険料と、税金で半分ずつ賄われています。このうち保険料は、65歳以上の第1号被保険者と、40~64歳の第2号被保険者で分担しています。4月に65歳以上の介護保険料が3年ぶりに改定されています。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によれば、65歳以上の高齢者は年々増加しています。2039年に3,900万人を超え、2043年に3,952万人のピークを迎えます。この高齢者数の伸びは、介護ニーズの高まりにつながります。

介護サービスの必要量や高齢者人口の違いなどによって、自治体ごとの保険料額にも差が生じています。基準額が最も低かったのは、東京都小笠原村の月3,374円、最も高かった大阪市では月9,249円、次に高かった大阪府守口市で8,970円でした。地域差には、高齢者数のピークを迎える時期の違いや、介護事業者の参入状況なども影響しています。
対策を迫られる厚生労働省は、所得別の負担の見直しに取り組んでいます。保険料以外でも、より支払い能力に応じた負担を強化し、利用料を2割負担する人の対象を広げたり、ケアプランを有料化したりといった検討を進めています。

(2024年5月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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