保護司高齢化による減少

保護司は、保護観察官と協力し、保護観察中の人たちと定期的に面接して相談に乗ったり、就職先を探したりして社会復帰を支え、再犯を防いでいます。非常勤の国家公務員ですが、支給されるのは交通費などの実費だけで報酬はなく、ボランティアとして活動しています。刑務所を出た人たちに寄り添い、地域で立ち直りを支えるこの保護司の高齢化が進み、10年以内に少なくとも4割が退任する見込みです。
保護司法によれば保護司は、①社会的信望がある、②熱意や時間的な余裕がある、③生活が安定している、④健康で活動力があるという条件をいずれも満たす必要があります。保護観察所が推薦し、法相が委嘱します。しかし、退任する保護司らが人脈を頼りに後任を探すケースが多くなっています。保護司の新任を、原則66歳以下としています。任期は2年ですが、76歳未満まで再任できるとしています。
高齢化が進み、退任の人数が新任を上回る傾向が続いてきました。今後も企業の定年延長などの影響で、担い手の確保が難しくなるとみられます。一方、刑法犯のうち、再犯者の占める割合は2021年で48.6%で上昇傾向にあります。有識者検討会では、さらなる年齢制限の緩和をはじめ、待遇の見直しや公募制の導入などが検討されています。

(2023年9月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。