個人所得の増加

個人所得が増えています。2022年度の個人住民税の課税対象所得は9年連続で増加し、全国の約3割にあたる494市区町村がバブル期を上回っています。賃金上昇に加えて、株式や不動産の売却益も寄与しています。
全国平均の個人所得は、前年度より10万円多い361万円と、1992年度より5%少ない水準まで回復しています。東北や九州など地方圏の回復が先行し、バブル期に土地高騰などで所得が大幅に上がった大都市圏が遅れています。30年前を上回ったのは8都県です。
都道府県で上昇率トップの山形県は、道路網の整備などで工場進出や特産の農産物の高付加価値化が進み、住民の所得を押し上げています。2位の秋田県も製造業の進出が広がっています。
多くの自治体で個人所得はバブル期に近づいていますが、物価の上昇も続いています。所得の上昇傾向は当面は続くと思われますが、自治体には住民の所得引き上げだけでなく、広い意味での住み心地を充実させるなど、実質所得を拡大する工夫が必要になります。

(2023年9月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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