健康に配慮した飲酒に関するガイドライン案作製

厚生労働省は、飲酒のリスクなどを盛り込んだ健康に配慮した飲酒に関するガイドライン案を国として初めてまとめています。長期にわたる多量の飲酒で、アルコール依存症や生活習慣病、肝疾患、がんを発症しやすくなると警告しています。大腸がんの発症リスクを高める飲酒量を、1日あたり約20g(週150g)以上、生活習慣病のリスクを高める量を、男性で1日あたり40g以上、女性で20g以上などと例示しています。海外のガイドラインは、米国が男性で1日あたり28g以下、ロシアも30gとしています。
純アルコール20gは、ビールで500ml(中ジョッキ1杯程度相当)、日本酒で1合程度に相当します。高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中などの場合は、たとえ少量でも発症リスクを上げるとしています。飲酒量をできるだけ少なくすることが大切です。
厚労省の患者調査によれば、アルコール依存症の総患者数は4.6万人にも達しています。1人あたりの酒の消費量は近年減っていますが、総患者数は1996年の4.7万人から横ばいです。
女性や高齢者は、体内の水分量が比較的少なく、アルコールの影響を受けやすいとしています。過度な飲酒で高齢者は、認知症のリスクが高まり、若者は脳の機能が落ちるとしています。体質でも違いがあり、分解酵素の働きの弱い人は、口の中や食道がん等のリスクが非常に高くなると警告しています。避けるべき飲酒として、摂取量60g以上の飲酒、不安や不眠を解消するための飲酒、投薬後の飲酒などをあげられています。飲酒前または飲酒中に食事をとる、合間に水を飲むことなどを勧めています。

(2023年11月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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