再生エネルギー導入の遅れ

国際エネルギー機関(IEA)は、気温上昇を抑えるために再生可能エネルギーの設備容量を、2030年までに3倍に拡大するよう提言しています。再生エネのコストは大きく低下し、化石燃料からの脱却は世界で進んでいます。普及が遅れる日本も対応を迫られています。
日本は再生エネの導入量で欧州や中国に後れをとり、普及が大きく進んでいるとは言えません。推進するための政策の遅れに加え、規制緩和などが進んでいないのが主な要因です。世界で主流となっている風力発電は、2022年に中国は約3,700万kw、米国は約860万kwそれぞれ増やしています。日本はわずか23万kwです。インドやトルコ、台湾も先を行っています。
政府は、2030年度に2013年度比で温暖化ガス排出量を46%減らし、2050年までに実質ゼロとする目標を掲げています。エネルギー基本計画では、2030年度の電源構成の36~38%を再生エネでまかなうとしています。2021年度は2割程度にとどまり、なお火力発電への依存度は高くなっています。日本も再生エネルギーを産業として早期に育成しなければ、アジアなど世界の脱炭素に貢献できず、影響力の低下につながりかねません。

 

(2023年9月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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