医師の働き方に向けた大学病院改革プラン

文部科学省は、医師の働き方改革に伴う残業規制を受け、業務効率化や教育内容の改革を進める大学病院に年3億円を支援します。時間外労働の上限規制は、医師の2024年問題と呼ばれています。医師の健康と、担い手が不足する救急医療や地域医療の維持の両立を目指しています。
大学病院の改革プランにおいては、医療DXなどによる業務効率化や、地域の医療機関との臨床実習の協働などを求めます。若手研究者への研究環境の充実や企業との共同研究の推進、最先端設備の整備といった教育・研究改革も必須となっています。短期的には、医療DXなどで医師の業務負担の軽減を進めつつ、長期的には、医療機能の分化を進めて、地域医療の再編も視野にいれています。
勤務医の残業規制は2019年施行の働き方改革関連法で導入しています。過労死ラインとされる年960時間の残業を上限とし、2024年4月から実施しますが、地域医療や救急医療に従事する医師などは、年1,860時間に引き上げる特例を都道府県に申請することができます。導入の背景には医師の労働環境の厳しさがあります。全国の81大学病院の勤務医の3分の1にあたる1万5,000人が、2024年度に残業時間が960時間を上回る見込みです。大半の病院が特例申請を予定しています。

(2023年8月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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