国内の臓器移植の現状

国内では約1万6千人が移植を待っていますが、実際に移植を受けられるのは約3%に過ぎません。世界的にも日本のドナー数は極めて少ない状況です。心停止後を含む2022年の日本の提供件数は、人口100万人あたりで0.88です。米国は日本の約50倍、韓国は約9倍です。
日本では臓器提供の意思表示をしている人が少なく、提供事例の8割は家族承諾によるものです。内閣府の世論調査によれば、自分が脳死と判定された時などに、提供したい、どちらかと言えば提供したいと回答した人は計約4割でした。この傾向は過去約20年で大きく変わっていません。一方、意思表示を既にしている人は1割ほどしかいません。
医療機関の体制も整っていません。国内で脳死下臓器提供が認められているのは、大学病院や救命救急センターなど全国約900施設です。日本臓器移植ネットワークの調査では、半数以上で提供ができる体制が整っていませんでした。日本移植学会によれば、国内で心臓移植を受けた18歳未満の患者は、2022年9月時点で67人です。うち2021年末までの60人の平均待機期間は約2年、最長約5年でした。

 

(2023年10月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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