国立大学での女性教員増

文部科学省の学校基本調査によれば、大学教員の女性比率は26.7%です。内訳は助教が32.4%、講師が34.0%と若手ポストで3割を超える一方、教授は18.8%、学長は13.9%と、上位職になるにつれ低くなっています。特に低いのが、国立大学です。女性教員比率は、大学全体より約8ポイント低い19.1%です。教授は11.6%、学長は4.7%でした。

国立大学は、学生の42%が理工農系で学び、公私立大の理系学生の倍以上です。理工農系は学生の女性比率が低い分野であり、教員になるための女性の母数も少数です。そのため、公私立大に比べ、女性教員比率が低いとみられます。
OECDのまとめによれば、日本の高等教育の女性教員比率は、2020年時点で30%で、比較できる38カ国中最下位です。国立大学協会は、教員の女性比率について、2025年度までに学長や副学長らで20%、教授で20%、准教授で30%以上にする目標を立てています。
東京大学は、昨秋2027年度までに女性の教授と准教授を計約300人採用すると打ち出しています。1人、2人増やすだけでは、不都合があっても、個人の努力で解決することが求められてしまいます。数が増えれば、行動や制度を変えざるを得ません。性別の偏りをなくそうとする意識を高めるために、大学を含めた法人に対して、国はクオータ制を早急に導入すべきです。
国立大学の86%が、女性登用に前向きな姿勢を示しています。ロールモデルとなるべき女性教員を増やすことは急務です。

(2023年11月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。