大卒求人倍率の上昇

日本経済新聞社の採用状況調査によれば、主要企業の大卒内定者(2024年春入社)は、2023年春の入社数に比べ7.4%増となっています。新型コロナウイルス禍からの経済回復で2年連続のプラスとなり、伸び率はリーマン・ショックの影響を受けた2009年度以降で最大となっています。
人手不足の中で学生に有利な売り手市場となっており、内々定を辞退する学生も多くなっています。内々定を辞退した学生が5割以上と回答した企業の割合は28.5%と、前年度より1.7ポイント上昇しています。辞退が増えたことで、企業がより多くの内定を出すようになっている面もあります。若手社員の転職が幅広い業種で増えていることも、新卒採用が増える一因となっています。
新型コロナウイルス禍からの経済回復に伴って企業の人手不足感が高まり、1人の学生に複数企業の内定が集中する売り手市場が続いています。リクルートワークス研究所によれば、企業の求人数を就職希望者数で割った2024年春卒の大卒求人倍率は、1.71倍と2年連続で伸びています。慎重だった中小企業でも採用意欲が高まり、新型コロナ禍前の水準に近づきつつあります。
有望な学生をいち早く確保しようと、外資系をはじめ多くの企業がルールにとらわれず選考を早めています。企業側は、学生があらかじめ記入したプロフィルを見てアプローチする逆求人サイトを活用するなど、新たな採用手法を取り入れ学生確保に知恵を絞っています。

 

(2023年10月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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