女性取締役を選任する企業の増加

取締役会に対する投資家の視線が厳しくなっています。5月までの株主総会では、女性取締役がいない企業のトップ選任に対する賛成比率の低下が顕著です。機関投資家は、2024年に議決権を行使する基準の適用範囲を拡大しており、多様性は企業統治の必須条件になっています。適任候補の育成や後継計画の重要性が増しています。
企業が求められる多様性の水準は年々高まっており、機関投資家は女性取締役ゼロの企業トップには反対票を投じています。女性取締役ゼロの企業では、国内の機関投資家だけを対象にした場合、経営トップへの反対比率は平均で61.3%で、2名以上の企業の9.8%とは対照的です。
世界基準でみると、日本の全体に占める女性役員の比率は低く、日本はプライム上場企業で13%にとどまり、日本を除くG7諸国の平均の39%を大きく下回っています。政府はプライム上場企業の女性役員比率を、30%以上にする方針を掲げています。
社外取締役については、在任期間などの独立性基準も厳しくなっています。2023年夏時点で、2社以上を兼任する社外役員の人数は2022年から4割増えてています。女性の場合、全体の3割が兼任をしている状況で、適任者の育成や後継者計画への備えも急務になっています。

 

(2024年6月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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