子宮移植の臨床研究

 子宮移植は、生まれつき子宮がなかったり、がんなどの病気で子宮を摘出したりした女性に子宮を移植し、あらかじめ体外受精させた受精卵を戻して出産させる技術です。対象となりうる女性は、国内に2030歳代だけで推計6万~7万人もいると推定されています。胎児を育てる子宮の機能は閉経後も残り、中高年でも提供者になりえます。慶應義塾大学のチームが、子宮がない女性に妊娠・出産を目的に第三者の子宮を移植する子宮移植の臨床研究を、今年中に学内の倫理委員会に申請する予定です。
 子宮移植を巡っては、赤ちゃんを得るために提供者に大きな身体的・精神的な負担を与えていいのか、拒絶反応を防ぐために投与する免疫抑制剤が赤ちゃんに悪影響を及ぼさないかなどの課題が指摘されています。スウェーデンで20149月、子宮を移植された女性が世界で初めて出産に成功しています。これまでに少なくとも5人の出産が報告されています。

(2017年1月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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