子宮頸がん―Ⅰ(病因と発症数)

 婦人科のがんで最も多い子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあります。子宮頸がんは、子宮口の入り口の子宮頸部から発生するがんです。通常の婦人科の診察で観察や検査がしやすいため発見しやすいがんです。早期に発見すれば比較的治療がしやすく予後の良好ながんの一つですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見のための検診が大切です。
 子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピロ-マウィルス(HPV)の感染が関与しています。HPVは性交渉で感染することが知られています。HPV感染そのものは全くまれな現象ではなく、性行為を経験した女性であればだれでも感染します。しかし、感染しても多くの場合、症状のないうちにHPVは排除されてしまいます。HPVが排除されずに持続的に感染していると、一部に子宮頸がんが発症すると考えられています。年間発生数は世界で45万人、日本国内で11000人以上と推定されています。

(吉村 やすのり)

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