家族関係社会支出

 日本は、他国の先進国と比べて、子育て支援に十分お金をかけていません。国立社会保障・人口問題研究所の社会保障費用統計によれば、保育所運営費や就学前教育費などの家族関係社会支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、2011年度で1.35%に過ぎません。英国は3.76%、スウェーデンは3.46%などヨーロッパ諸国に比べて極めて低くなっています。
 欧米では、乳幼児期の保育や幼児教育が、その後の人生に影響を与える可能性があるとして、政策を強化しています。日本は消費税の増税などで子育て支援を進めようとしていますが、増税の先送りで今後、さらに充実ができるかどうかは不透明です。家族関係社会支出と出生率は密接な関係にあります。GDP比が3%を超える国は、出生率は2前後です。わが国も希望出生率1.8を達成するためには、家族関係社会支出を増やさなければなりません。

(2016年7月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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