年金の受給

 年金は20歳以上から60歳未満の間、すべての人が保険料の納付を義務付けられています。納付済み期間に免除期間などを合計した期間が25年以上に達すると、年金を受け取ることができます。非正規労働者の増加などを背景に、納付期間が25年に達しない人が増えています。収入減や失業などによって保険料を納めることが経済的に難しい時は、保険料の納付を猶予、もしくは免除される制度もあります。
 政府は、年金受給の納付期間を現在の25年から10年に短縮しようとしています。受給資格の10年間への短縮で、約42万人いる無年金者のうち約17万人が新たに年金を受給できるようになる見通しです。年金受給資格期間の短縮には、無年金者に対する救済措置を強化する側面がありますが、納付意欲が低下しかねないと懸念もあります。低年金者の加入期間要件を緩めると保険料を10年だけ納める人が増えることになります。しかし10年間納めただけではもらえる年金額は月1万6千円程度にとどまり、老後の生活保障としては十分な水準とはいえません。

(2016年7月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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