性別変更の手術要件

静岡家庭裁判所浜松支部は、トランスジェンダーが戸籍上の性別を変えるのに手術を強いる規定は、憲法に違反して無効と判断しました。手術を受けていないトランス男性の性別変更を認めています。近く最高裁判所大法廷が憲法判断を示す論点ですが、家庭裁判所が先んじて違憲に踏み切りました。
規定の違憲性をめぐっては、最高裁判所第二小法廷が2019年に現時点では合憲と判断しています。社会の混乱のおそれなどを理由に挙げていましたが、意思に反して身体への侵襲を受けない自由を制約する面がある、規定の憲法適合性は不断の検討を要するとも言及しています。
今回の家庭裁判所の判断は、最終決定権を持つ最高裁判所の判断と違い、他の裁判所を拘束する力はありません。最高裁判所も同様に違憲と判断すれば、手術なしでの性別変更に向けた道が大きく開かれることになります。

(2023年10月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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