性別変更の申請

2004年施行の性同一性障害特例法にもとづき、性別を変更した人は、2020年末までに1万人を超えました。性別変更には、①18歳以上、②婚姻をしていない、③未成年の子がいない、④生殖腺がない、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にある、⑤変更後の性別の性器に近い外観を備えているの5要件を満たす必要があります。
女性から男性に性別変更する際に、閉経していれば、手術を経なくても認められたケースが少なくとも3例あり、そのうち1例はいったん棄却されていました。棄却の理由は、閉経しているとしても、卵巣や子宮が残存していることから、生殖腺がない又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあるものということはできないなどとされていました。
現行法の下では、若い人が性別変更を希望する場合、性別適合手術の実施が基本となっています。しかし、WHOなどの複数の国際機関は、2014年に性別変更のために不本意な手術を要件とすることは、人権侵害だとする共同声明を出しています。わが国のGID学会は、2019年にこの声明を支持すると表明しています。

 

(2023年8月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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