新生児の心臓病の早期発見

日本新生児成育医学会は、新生児の心臓病を早期に発見するために、生後48時間以内に足の血中酸素飽和度をパルスオキシメーターで数分間測るだけの簡単な検査を提案しています。飽和度が95%未満の場合は、心臓や肺の病気の可能性があり、専門医への相談を検討するとしています。米国の調査によれば、検査を義務化している州では、義務化していない州に比べ、重症の先天性心疾患による死亡が33%減ったとしています。
日本では、胎児を超音波で調べる技術が進んでいます。このため、おなかの中にいる段階で先天性の心臓病を見つけ、生まれた直後に治療することが増え、救命率は高まっています。しかし、超音波診断の普及には、専門医の存在による地域差もあります。この検査法は、こうした地域差を埋めることが期待されています。
先天性の心臓病がある人は100人に1人、命に関わる人は300人に1人とされています。検査では、左心低形成症候群、大動脈縮窄・離断症、総肺静脈還流異常症など、手術が必要な心臓病がわかる可能性があります。
外見からではわからない心臓病で、胎児診断がなくても、具合が悪くなる前に気付いて命を救えます。適切な時期に手術ができれば、後遺症が少なく、その後の人生を送れるようになります。

(2023年12月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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