東京都の不登校児童・生徒対策

東京都の調査によれば、小中学校の不登校児童や生徒が増加しています。2022年度は都内の小学校で約1万人、中学校で1万6,000人が不登校でした。2021年度からそれぞれ約3,000人ずつ増えています。10年前の3倍超となっています。コロナ禍での生活リズムの乱れなどにより大きく増えたとみられます。都は不登校の増加を踏まえ、子どもたちにとって親しみやすいメタバースの活用で、居場所や学びの場を広げる方針です。
都教育委員会は、メタバースを活用した居場所・学びの場であるバーチャル・ラーニング・プラットフォーム(VLP)の試験運用を2022年度に始め、2023年度は、新宿区や中野区など都内8自治体に提供しようとしています。利用するのは、不登校だったり日本語が不自由だったりする児童や生徒です。
児童や生徒は、パソコンやタブレット端末を使い、オンライン上の3Dメタバース空間にログインします。自分の顔を出さずアバターが動きます。マイクロソフトの対話アプリのチームズなどと連携し、リアルタイムでオンライン授業を受けたり、他の児童や生徒と文字や音声のチャットで交流したりできます。
メタバース活用のきっかけは、国のGIGAスクール構想です。新型コロナウイルス禍の一斉休校でオンライン授業が必要となり、学習端末の小中学生への1人1台配布が前倒しされました。都は学習用端末を使った支援を検討し、VLPの運用につながりました。

 

(2023年12月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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